Classiques japonais avec furigana
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さとう
麻布襍記 ――附・自選荷風百句
永井 荷風
Lisez 麻布襍記 ――附・自選荷風百句 (さとう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 256 caractères · 77 écrans
志士に疎暴ならざるは少し
十五夜に雲なきは稀なり
長寿にして耻少きは稀なり
文士にして字を知るは稀なり
芸者にしてねだらざるは稀なり
新聞記者にして礼節あるは稀なり
役者にして自分を知るは稀なり
請負師にして金歯なきは稀なり
青年にして痳病ならざるは稀なり
赤ン坊のお尻にして紫斑なきは稀なり
女学生にして歯の奇麗なるは稀なり
女郎の長襦袢にシミなきは稀なり
汽車の弁当にして食えるは稀なり
電車にして停電せざるは稀なり
電話交換手にして番号を誤らざるは稀なり
女ボーイにして献立を知れるは稀なり
女店員にして暗算の早きは稀なり
印刷物にして誤植なきは稀なり
石版摺の表紙にしてインキの手につかざるは稀なり
○
警察干渉の手を大本教に加う。此れが為に丹波の邪教いよいよ信者を増すべし。森戸先生罰せられてクロポトキンの名却て世に流布したるを思えば宣伝の法広告の極意は蓋し官権の干渉に如くものはなし。往昔韓愈釈教の中華を侵すを慨嘆せしかど遂に能く止むる事能わざりき。幕府切士丹破天連の跡を絶たんとして亦よく断つ事能わざりき。匹夫の志もと奪うべからず。千束町は遂に千束町にして蠣殻町には依然として小待合多し。