Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くろてぐみ
黒手組
江戸川 乱歩
Lisez 黒手組 (くろてぐみ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 978 caractères · 36 écrans
わしの立っていた地面から草の生えている所までは、一番短いので二間は十分あったのですからね」
「そこには何か動物の足跡の様なものはありませんでしたか」
明智が意味あり気に訊ねました。伯父はけげんな顔をして、
「え、動物ですって」
と聞返します。
「例えば、馬の足跡とか犬の足跡とかいう様なものです」
私はこの問答を聞いて、ずっと以前にストランド・マガジンか何かで読んだ一つの犯罪物語を想浮べました。それはある男が、馬の蹄鉄を足につけて犯罪の場所へ往復した為に、うまく嫌疑を免れたという話でした。明智もきっとそんな事を考えていたのに相違ありません。
「さあ、そこまではわしも気がつかなかったが、牧田お前覚えていないかね」
「はあ、どうもよく覚えませんですが、多分そんなものはなかった様でございます」
明智はここで又黙想を始めました。
私は最初伯父から話を聞いた時にも思ったことですが、今度の事件の中心は、この賊の足跡のないという点にあるのです。それは実に一種不気味な事実でした。
長い間沈黙が続きました。
「併し何は兎もあれ」やがて又伯父が話し始めます。「これで事件は落着したのだとわしは大いに安心して帰宅しました。