Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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「いき」のこうぞう

「いき」の構造

九鬼 周造

Lisez 「いき」の構造 (「いき」のこうぞう) de 九鬼 周造 (くきしゅうぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 50 258 caractères · 101 écrans

Aozora Bunko

「上品」は対立者として「下品」をもっている。「派手」は対立者に「地味」を有する。「いき」の対立者は「野暮」である。ただ、「渋味」だけは判然たる対立者をもっていない。普通には「渋味」と「派手」とを対立させて考えるが、「派手」は相手として「地味」をもっている。さて、「渋味」という言葉はおそらく柿の味から来ているのであろう。しかるに柿は「渋味」のほかになお「甘味」をももっている。渋柿に対しては甘柿がある。それ故、「渋味」の対立者としては「甘味」を考えても差支ないと信ずる。渋茶、甘茶、渋糟、甘糟、渋皮、甘皮などの反対語の存在も、この対立関係を裏書する。しからば、これらの対立意味はどういう内容をもっているか。また、「いき」といかなる関係に立っているか。

(一) 上品―下品とは価値判断に基づいた対自性の区別、すなわち物自身の品質上の区別である。言葉が表わしているように、上品とは品柄の勝れたもの、下品とは品柄の劣ったものを指している。ただし品の意味は一様ではない。上品、下品とはまず物品に関する区別であり得る。ついで人事にもこの区別が適用される。「上品無寒門、下品無勢族」