Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いさましいはなし

いさましい話

山本 周五郎

Lisez いさましい話 (いさましいはなし) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 835 caractères · 73 écrans

Aozora Bunko

――なにか起こったに違いない、ことによると和泉へ累が及ぶのではないか。

玄一郎は不安になり、津田の言葉がまた新しく思いだされた。すぐ刀を抜きたがるような者は野蛮で愚昧だ。力で負けるとどんな卑劣なことをするかもわからない。

かれらは玄一郎に松尾をめあわせたことで、和泉をも憎んでいるかもしれない。そうすれば巻添えにする危険は充分にある。

――そんなことになったら松尾は……。

玄一郎は息苦しくなり、身の置場のないような焦燥に駆られた。

だがそのときはもう、実は局面は変っていたのである。午後になると家老職から人が来て、御城代が呼ばれると伝えた。

玄一郎は聞き誤ったと思った。しかしともかくも本丸へゆくと、袴を出され、脇差を戻された。

「呼ばれたのは益山殿でしょうね」

こうきくと、係りの者はけげんそうな顔をした。

「いえ御城代の和泉さまです」

それから黒書院へいった。

そこには重臣が並んでいたが、益山税所の姿はみえず、上座には和泉図書助がいた。酒好きの肥えたこの老人は、赭黒い顔の頬が垂れ、眼袋ができていた、ちょっと見ると好々爺にみえるが、細い眼の底には相当するどい光りがあり、悪くいえば狡猾、ひいきめにみても老獪という感じはまぬかれない。