Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いとこどうし

いとこ同志

宮本 百合子

Lisez いとこ同志 (いとこどうし) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 760 caractères · 16 écrans

Aozora Bunko

樹木でさえ、親木が年寄って倒れれば、きっとその傍から新らしい若い芽生えが出ますでしょう。まして人の心は樹や草などより、もっともっと微妙なものです。

それ故、政子さんが、お亡くなりに成った両親を思うものなら思うほど、自分の中に遺して行って下さったよい心美くしい心を育てて、真個に立派な人になるように心掛けるのが、第一の務だったのです。

けれども、政子さんは、そうは思いませんでした。先ず自分の可哀そうな身の上に気が付くと一緒に、お友達中から、可哀そうがって同情されたくなりました。

『まあ政子さんはお可哀そうね、お父様もお母様もいらっしゃらないで……何てお気の毒なのでしょう。淋しいでしょうね、苦しい事が沢山おありになりますでしょう』

と云って貰いたくなったのです。

政子さんにそう云う心持が起って来ると、世界中が、急に辛く、悲しく、意地悪いもの許りの集りのように見えて来ました。

物を見るのも、感じるのも、みな心の働でございますものね。政子さんが、そういう心持になれば、直ぐ何でもが、心の思う通りに見えたり感じられたりするのは、あたりまえです。その日も、いつもの通りお昼休が来ると、政子さんは淋しそうな顔をして、校舎の裏にある芝生へ参りました。