Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おさん

おさん

山本 周五郎

Lisez おさん de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 128 caractères · 66 écrans

Aozora Bunko

「おじちゃんが訊いてるのを聞いちゃったんだ、これからまた大鋸町へ戻るのかい」

「きみの悪いやつだな、大鋸町のときから跟けていたのか」

「ずっとだよ、沼津からずっとさ、おじちゃん気がつかなかったのかい」

参太は子供の顔をみつめた、「大磯でも、藤沢でもか」

「神奈川じゃ柏屋で泊ったね」

「おどろいたな、どうして声をかけなかったんだ」

女の人がいたもの。女は嫌いか、と参太が訊いた。嫌いさ、女はみんながみがみ小言ばかり云うし、ひとを子供扱いにしやがる、女には近よらねえことにしているんだ、と子供は云った。

作次は長屋をひきはらった。今年の三月だという、おさんに男ができて、作次は酒びたりになり、おさんがいなくなった。作次は狂ったようにおさんを捜しまわったが、みつけだしたのかどうか、彼もまた長屋をとびだしてしまった。日本橋の魚河岸で軽子でもしているらしい、そのあたりで酔いつぶれているのをよく見かける。長屋の者はそう云っていた。――初めに大鋸町を訪ねたが、作次の女房はなにも云わなかった。そこも一と間きりの長屋で、これという家財道具はなく、がらんとした薄暗い部屋の中で、作次の女房は鼻緒作りをしていた。