Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おれのにょうぼう
おれの女房
山本 周五郎
Lisez おれの女房 (おれのにょうぼう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 296 caractères · 46 écrans
明くる朝。食事のあとで、ちかごろ買ったとかで、石濤の山水を見せられた。それから石町の店を出たが、頭のなかは六曲一双のことでいっぱいになり、妙なところで立停ったり、道を間違えたりした。
「――鄙の曲水、……うん、悪くない」
気がつくとこんな独り言も言った。
「――それが阿波屋にぴんと来たとすれば、そしてさほどそれが悪くなかったとすれば」
こうして道で時間をとって、久堅町へ帰ったのはもう十時すぎであった。路地へはいると、長屋の人たちが妙な眼でこっちを見る、べつに気にもとめず家へいってみると、差配の五兵衛が上り框に腰を掛けて、いきまくような顔で煙草をふかしていた。
「ああお帰んなさい、だがお石さんはいませんぜ」
五兵衛はいきなりこう云った。
「とてもつとまらねえからひまを貰う、先生には話がついてるからってね、起きぬけにやって来て、てめえの荷物を纒めて、半刻ばかりめえに出てゆきましたよ」
「――お石が、……出ていったって」
又五郎は気のぬけたように棒立ちになった。
「先生が石町へいったわけもあらまし聞きました、私はそれこそ先生だと頭がさがった、だがお石さんにはわからねえ、――とにかくこんなとこへあがったってしようがねえ、私の家へいらっしゃい、悪魔っぱらいに一杯やって、これからの相談をしようじゃございませんか」