Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おりつとこらと
お律と子等と
Lisez お律と子等と (おりつとこらと) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 25 195 caractères · 51 écrans
姉は去年縁づく時、父に分けて貰う筈だった物が、未に一部は約束だけで、事実上お流れになっているらしい。――そう云う消息に通じている洋一は、わざと長火鉢には遠い所に、黙然と新聞をひろげたまま、さっき田村に誘われた明治座の広告を眺めていた。
「それだからお父さんは嫌になってしまう。」
「お前よりおれの方が嫌になってしまう。お母さんはああやって寝ているし、お前にゃ愚痴ばかりこぼされるし、――」
洋一は父の言葉を聞くと、我知らず襖一つ向うの、病室の動静に耳を澄ませた。そこではお律がいつもに似合わず、時々ながら苦しそうな唸り声を洩らしているらしかった。
「お母さんも今日は楽じゃないな。」
独り言のような洋一の言葉は、一瞬間彼等親子の会話を途切らせるだけの力があった。が、お絹はすぐに居ずまいを直すと、ちらりと賢造の顔を睨みながら、
「お母さんの病気だってそうじゃないの? いつか私がそう云った時に、御医者様を取り換えていさえすりゃ、きっとこんな事にゃなりゃしないわ。それをお父さんがまた煮え切らないで、――」と、感傷的に父を責め始めた。
「だからさ、だから今日は谷村博士に来て貰うと云っているんじゃないか?」