Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かんかんむし

かんかん虫

有島 武郎

Lisez かんかん虫 (かんかんむし) de 有島 武郎 (ありしまたけお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 483 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

それ迄はいい、それ迄は難は無えんだが、それから三日許り経つと、イフヒムの野郎が颶風の様に駆け込で来やがった。

「イフヒムの野郎」と云った時、ヤコフ・イリイッチは再び胴の間を見返った。話がはずんで思わず募った癇高な声が、もう一度押しつぶされて最低音になる。気が付いて見ると又日影が移って、彼は半身日の中に坐って居るので、私は黙ったまま座を譲ったが、彼は動こうとはしなかった。船員が食うのであろう、馬鈴薯と塩肉とをバタで揚げる香いが、蒸暑く二人に逼った。

海は依然として、ちゃぶりちゃぶりと階律を合せて居る。ヤコフ・イリイッチはもう一度イフヒムを振り返って見ながら、押しつぶした儘の声で、

見ろい、あの切目の長げえ眼をぎろっとむいて、其奴が血走って、からっきし狂人見てえだった。筋が吊ったか舌も廻ら無え、「何んだってカチヤを出した」と固唾をのみながらぬかしやがる。

「出したいから出した迄だ、別に所以のある筈は無え。親が己れの阿魔を、救主に奉ろうが、ユダに嫁にやろうが、お前っちの世話には相成ら無え。些度物には理解を附けねえ。当世は金のある所に玉がよるんだ。それが当世って云うんだ。