Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けしのはたけ

けしの圃

小川 未明

Lisez けしの圃 (けしのはたけ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.

N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 5 337 caractères · 11 écrans

Aozora Bunko

「三百八十六。」と、小太郎は石を数えて、また笛を吹き鳴らしました。その音色は、細く、悲しく、夜のあたりに響いたのです。響いたかと思うと、はかなく、跡なく消えてゆきました。そのときだんだん人影は、こちらに近づきました。小太郎は、だれか、自分をしかるのではなかろうかと思いました。けれどその影は、穏やかに動いて、そんなけはいもなく、なんとなく笛の音を聞いては、こちらを遠くから、透かして見ているようでありました。

だんだんその影が近づきますと、それは女の影であることがわかりました。美しい女が、髪を垂れて、月の光を浴びてたたずみながら、ぼんやりとこちらを見つめているようすでありました。小太郎はもしやこの女の人が、自分のほんとうのお母さんではなかろうかと思いました。そして、占い者のおばあさんが、今夜、おまえはほんとうのお母さんにあえるといったことを思い出して、なんとなく小太郎の胸は躍ったのであります。

小太郎は、躍る胸を心で押さえながら、また石を数えて、「三百八十九。」といって、笛を鳴らしました。

このとき、美しい女は、けしの咲いている圃の中を走って小太郎に近づきました。