Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ
たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】
佐藤 春夫
Lisez たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】 (『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ) de 佐藤 春夫 (さとうはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 182 caractères · 48 écrans
。
折口信夫氏は電話で呼び出されると何か大事出来のようで不安である。電話は魚屋や八百屋を呼び出すものだと不きげんであったと聞いている。
ジョセフィン・ベーカーも電話ぎらいで一切電話口へ出ないが、電話に出ない現代の女は彼女と英国のクウィンぐらいなもので大した気位だと云われているとか聞いて、僕はこの黒人の踊り子を折口さんぐらいに好きになったものであった。
しかし折口氏は知らず、わたくしはジョセフィンとともに気位が高いのではなく、未開人のためにこういう社交的な文明の利器が性に合わないのである。
電話はしきりに鳴る。出渋っていたが、是非なく重い尻を持ち上げて、自分で出てみると、聞きおぼえもない女の声がいきなり、
「お前さん、目白坂の佐藤かい?」
とこう高飛車に来たので面くらいながらも貴様は一たい何者だとも云わないで、
「そうです。そちらは?」
と問うと、今度は、
「道灌山だよ」
「え、道玄坂ですか?」
「道玄坂じゃないよ、――ドウカンヤマ。わかったかい。ドウ、カン、ヤマ。」
わたくしは以前一度道玄坂に住んだ事はあったが、道灌山には何のゆかりもなかったものである。
「道灌山はわかりましたが、道灌山のどなたですか」