Classiques japonais avec furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lisez 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) de 佐藤 垢石 (さとうこうせき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 118 470 caractères · 244 écrans
二
二階へ上がり、かたく家族の者を遠ざけ、一体百二十六枚の百円紙幣は、畳一枚にならべ得られるかどうかについて試してみたのである。ならべ終わって、私はにやにやとした。まさに豪華版であったのである。
その豪華版も、僅かに半年の間に呑み干してしまった。遺憾なく、まことに綺麗に呑んだ。
ついで、祖先伝来の田地田畑を売り、故郷の家屋敷まで抵当に入れてしまった。爾来、七とこ八とこと借り歩き、身寄り友人、撫で斬りである。
同業内田百間は、借金の達人であるときいているが、彼とわが輩と対局しても、万が一彼に勝味があろうとは思わぬ。わが輩の腕前の方が筋がよろしいという自信を、固く持つ。
だが、如何に確かなる腕前を持っていようとも、最後の取って置きの、きり札である恩人まで借りてしまっては、あとはもうどうにもならぬ。
そこで、私は女房を攻めた。
はじめのほどはてんで私を相手にしなかったけれど、私が窮極に陥ったのを読んだらしい。流石に女房だけあって、箪笥の抽斗の奥の隅の底から、雑巾にも等しい襤褸包を持ちだした。それを、筍の皮でも剥ぐようにめくって行って、最後に出したのが、金三百円である。