Classiques japonais avec furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lisez だいこん de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 153 732 caractères · 303 écrans
若い海兵隊は笑いながら高速艇へ帰って行き、ランチはまたゴトゴトと動きだし、十五分ほどののち長い斜堤の端にある古ぼけた浮桟橋へ横づけになった。
鎮子さんや初子さんたちの組がキャビンからあらわれて斜堤へ出揃うと、下士官はあたしたちをオープンのビュイックへ詰めこんだ。
羽田の空港とそっくりな、風の吹き通る広々とした構内をドライヴして行くと、間もなく司令部の建物が見えてきた。高いマストの上に青地に白く星を抜いた赤縞入りの旗が鯉のぼりのような派手な色でゆらゆら揺れ、その下の広い鋪道を四列縦隊になった水兵さんがリズミカルな靴音をたてながら撤退している。枕のようなズックの袋を肩に載せ、折目のついた眼にしみるような白い服を着、一隊が通って行くとまた次の一隊と、空からでも繰りだすようにあとから無限につづきながら正門から出て行く。横須賀の鎮守府が接収されたことはパパにきいていたので驚きはしなかったけど、印象だけについていえば一生忘れられないほど深刻なものだった。
〈フランスの逃亡〉の中の一節を思いだす。フランスの大部隊がフランダースの平原を洪水のように撤退してくる街道で、年をとった農夫のお婆さんがじぶんの家の戸口に立ってながめながら、通りかかった将校にいう。