Classiques japonais avec furigana
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きつねつき
ちくま日本文学012 中島敦
Lisez ちくま日本文学012 中島敦 (きつねつき) de Nakajima Atsushi (中島 敦) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 136 caractères · 19 écrans
シャクに含む所のある長老達は北叟笑んだ。部落にとって有害無用と一同から認められた者は、協議の上でこれを処分することが出来るのである。
硬玉の頸飾を着けた鬚深い有力者達が、よりより相談をした。身内の無いシャクのために弁じようとする者は一人も無い。
ちょうど雷雨季がやって来た。彼等は雷鳴を最も忌み恐れる。それは、天なる一眼の巨人の怒れる呪いの声である。一度この声が轟くと、彼等は一切の仕事を止めて謹慎し、悪しき気を祓わねばならぬ。奸譎な老人は、占卜者を牛角杯二箇でもって買収し、不吉なシャクの存在と、最近の頻繁な雷鳴とを結び付けることに成功した。人々は次のように決めた。某日、太陽が湖心の真上を過ぎてから西岸の山毛欅の大樹の梢にかかるまでの間に、三度以上雷鳴が轟いたなら、シャクは、翌日、祖先伝来のしきたりに従って処分されるであろう。
その日の午後、ある者は四度雷鳴を聞いた。ある者は五度聞いたと言った。
次の日の夕方、湖畔の焚火を囲んで盛んな饗宴が開かれた。大鍋の中では、羊や馬の肉に交って、哀れなシャクの肉もふつふつ煮えていた。食物の余り豊かでないこの地方の住民にとって、病気で斃れた者の外、すべての新しい屍体は当然食用に供せられるのである。