Classiques japonais avec furigana
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しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
Lisez ちくま日本文学014 谷崎潤一郎 (しゅんきんしょう) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 85 196 caractères · 169 écrans
ことが出来ず心ばかりに白仙羹をひと折買って来て情を佐助に訴え、なにとぞ私の貧を憐みお師匠様にそこをよろしくお執成し下されお目こぼしを願度と云った。佐助も気の毒に思い恐る恐るその旨を取り次いで陳弁するとにわかに顔の色を変えて月謝や付け届けをやかましく云うのを慾張りのように思うか知れぬがそんな訳ではない銭金はどうでもよけれど大体の目安を定めて置かなんだら師弟の礼儀というものが成り立たぬ、あの子は毎月の謝礼をさえ怠り今また白仙羹ひと折を中元と称して持参するとは無礼の至り師匠を蔑ろにすると云われても仕方がなかろう、せっかくながらそれほど貧しくては芸道の上達も覚束ないもちろん事と品によっては無報酬にて教えてやらぬものでもないがそれは行く末に望みもあり万人に才を惜しまれるような麒麟児に限ったこと、貧苦に打ち克ちひと廉の名人となる程の者は生れつきから違っているはず根と熱心とばかりでは行かぬあの子は厚かましいだけが取柄で芸の方はさして見込みがあろうとも思えず貧を憐んで下されなどとは己惚れも甚しい、なまじ人に迷惑をかけ恥を曝すよりもうこの道で立つ