Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
つゆのあとさき
つゆのあとさき
永井 荷風
Lisez つゆのあとさき de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 74 725 caractères · 148 écrans
「遊びも癖になるとつい止められなくなるもんだ。」
「おじさんなんかも、以前が以前だから、また直に癖がついてよ。」
十日ばかり君江も酒を断っていた後なので、話をしている中に忽ち取寄せた三本のビールを空にしてしまった。
「商売だけあって凄くなったな。あすこにあるのはウイスキイじゃないか。」
「アラ。病気や何かで、すっかり忘れていたわ。」と君江は棚の上に載せたままにして置いた角壜の火酒を取りおろして湯呑につぎ、「グラスがないからこれで我慢して下さい。」
「おれはもういけない。」
「じゃア、ビールか日本酒を貰いましょう。」
「もう何にもいらない。久振りで飲むとカラ意久地がない。帰れなくなると大変だ。」
「お帰りになれなかったら、そこへお休みなさい。かまいません。」と君江は湯呑半分ほどのウイスキイを一口に飲干す。
「女給さんの手並みはなるほど見事だ。」
「日本酒よりかえっていいのよ。後で頭が痛くならないから。」と咽喉の焼けるのを潤すために、飲残りのビールをまた一杯干して、大きく息をしながら顔の上に乱れかかる洗髪をさもじれったそうに後へとさばく様子。川島はわずか二年見ぬ間に変れば変るものだと思うと、じっと見詰めた目をそむける暇がない。