Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どこかにいきながら

どこかに生きながら

小川 未明

Lisez どこかに生きながら (どこかにいきながら) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.

N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 4 469 caractères · 9 écrans

Aozora Bunko

じっと、耳をすました子ねこは、急にいらいらしだして、へやじゅうを騒ぎまわり、外へ出ようとしました。

「なんだかようすが変だから、早く出しておやり。」と、お母さんまでが、おっしゃいました。姉のほうの少女が雨戸を細目に開けると、すきまから、烈しい風が、内へ吹き込みました。

「この風の中を、どこへいくの?」と、少女が、いいました。子ねこは、闇の中へ飛び出して、さまよいながら、目に見えぬ影を慕うごとく、悲しい声で、なきつづけました。

「ああ、きっと、母ねこのことを思い出したのだわ。」と、姉と妹は、顔を見合わせました。

あの屋根から、屋根を、子供をつれて歩いていた、やせた母ねこの姿が、二人の目にはっきりと浮かびました。

子ねこは、遠くの方まで、母を捜しにいったとみえ、風のとぎれに、そのなく声が、かすかにきかれました。かつて、寒い、寒い、木枯らしの吹く夜、そして、霜のしんしんと降る夜明け方、母ねこに抱かれて、安らかに眠った、なつかしい記憶が、はしなくも風の音によって、思い起こさせられたのでありましょう。