Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひとでなし

ひとでなし

山本 周五郎

Lisez ひとでなし de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 484 caractères · 38 écrans

Aozora Bunko

障子の向うは店で、はあいと高い返辞が聞え、すぐにおみつがはいって来た。

「まだお二人」とおようが訊いた。

「いいえ、いまなべさんがいらっしゃいました」とおみつが答えた。

「みっちゃん」とおつねが梳櫛を使いながら云った、「失礼よ、なべさんだなんて」

「失礼なもんですか」おみつは云い返した、「そばをとおるたんびにひとのお尻へ触るんですもの、いまだってゆだんをみすましてこうよ」とおみつは手まねをし、客の口ぶりを巧みにまねて云った、「そして、どっちりしてるなあ、だって、いけ好かない」

「あんまり気取らないの」とおつねが云った、「忠さんか伝さんならこっちから押しつけるくせに」

「あらいやだ」おみつはつんとした、「あたし誰にだってお尻なんか触られるの嫌いよ」

おみつは銅壺から燗徳利を出し、布巾の掛けてある膳から摘み物の小皿を二つ取り、それを盆にのせて店のほうへ出ていった。おようはまた燗徳利を二本、銅壺の中へ入れ、おつねは話を続けた。

「そう、あんた水戸だったの」とおようが云った、「それにしては訛りがないわね」

「十のときから江戸へ奉公に来てましたからね、十八の年に嫁にゆくんで水戸へ帰った