Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひやめしものがたり
ひやめし物語
山本 周五郎
Lisez ひやめし物語 (ひやめしものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 861 caractères · 31 écrans
彼に限らずいったい柴山の家族は暢気者ぞろいで、誰も四男坊に就いて積極的に心配するようすがない、「そのうちなんとかなるさ」くらいの、ごく軽い気持でなりゆきに任せていた。
然し大四郎も、自分のいぶせき運命に気づく時が来た、彼は或る佳人をみそめたのである。名も住居も知らないし、そう美しいというわけでもないが、どうしようもないほど好きになってしまった。……彼は月づきの小遣を溜めて古本を購うのが道楽だった。百万石の城下でもそのころ古本屋などはない、藩侯がひじょうに学芸を奨励していたため、江戸、大阪、京都などの書肆の出店が五軒ほどある、それらで古書を扱っていたし、古道具屋などでもときに奇覯の書をみつけることが無くはない、臨慶史とか歳令要典とか、太平記人物考とか改元記などという史書は、彼の蔵書の中でも珍重に価するものであるが、これらはみな古道具屋のがらくたの中からみつけだしたものだ。買って来る書物はたいてい傷んでいる、頁が千切れたり、端が捲れたり、綴糸がほつれたり表紙が破れたり、題簽の無いものなども少なくない、それを丹念に直して、好みの装幀をして、新しい題簽を貼って、さいごに艸雨堂蔵という自分の蔵書印を捺すのだが、これがまた云いようもなく楽しい仕事で、かかっているあいだはまったく我を忘れるくらいだった。