Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひょっとこ

ひょっとこ

芥川 竜之介

Lisez ひょっとこ de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 838 caractères · 12 écrans

Aozora Bunko

一つ大きな円をかきながら、あっと云う間に、メリヤスの股引をはいた足を空へあげて、仰向けに伝馬の中へ転げ落ちた。

橋の上の見物は、またどっと声をあげて哂った。

船の中ではそのはずみに、三味線の棹でも折られたらしい。幕の間から見ると、面白そうに酔って騒いでいた連中が、慌てて立ったり坐ったりしている。今まではやしていた馬鹿囃子も、息のつまったように、ぴったり止んでしまった。そうして、ただ、がやがや云う人の声ばかりする。何しろ思いもよらない混雑が起ったのにちがいない。それから少時すると、赤い顔をした男が、幕の中から首を出して、さも狼狽したように手を動かしながら、早口で何か船頭に云いつけた。すると、伝馬はどうしたのか、急に取舵をとって、舳を桜とは反対の山の宿の河岸に向けはじめた。

橋の上の見物が、ひょっとこの頓死した噂を聞いたのはそれから十分の後である。もう少し詳しい事は、翌日の新聞の十把一束と云う欄にのせてある。それによると、ひょっとこの名は山村平吉、病名は脳溢血と云う事であった。

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山村平吉はおやじの代から、日本橋の若松町にいる絵具屋である。