Classiques japonais avec furigana
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「ぶどうばたけのぶどうづくり」こうき
「ぶどう畑のぶどう作り」後記
岸田 国士
Lisez 「ぶどう畑のぶどう作り」後記 (「ぶどうばたけのぶどうづくり」こうき) de 岸田 国士 (きしだくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 901 caractères · 4 écrans
彼は日記にもそのことを記しているが、人はある時はそれに気づかず、あるときはふと、それに気づくことがある。時と場所とをかえて彼の作品を読むがよい。かつてはさほど印象の鮮やかでなかった個所が、とつぜん、いきいきとわれらの眼前をよぎるであろう。彼はつねにかくある姿を描こうとしない。また、何人も、かく感じ得る状態を捉えようとしない。その代り、人間なら誰でも、ふとした機みに、ある限られた条件で、そのものを観、聞き、触れる場合には、必ずそう感じなければならぬ一つの姿を、驚嘆すべき正確さを以て言葉に写す技を心得ているのである。「卑小さの偉大さ」という評言は、いわば、俗眼に映ずる非凡な風景を指すのであろう。
こういう特質は、文学のあらゆる特質のうちで、最も翻訳に適せぬものと信じるが、この冒涜は、私のルナアルに対する無上の愛によって償いたいと希っている。
「ぶどう畑」は、一八九四年(明治二十八年)著者三十歳の時の出版にかかる。「にんじん」も同年の出版であるが、それよりも少し遅れて出た。
ルナアルについては、言いたいこと、言わねばならぬことが私にはいくらでもあるような気がするが、それを纏めて発表する機会もあると思うから、ここでは、参考のために、簡単な年譜を記しておくに止めよう。