Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ほととぎす
ほととぎす
堀 辰雄
Lisez ほととぎす de 堀 辰雄 (ほりたつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 252 caractères · 60 écrans
只隙さえあれば、道綱を呼びにお寄こしになって、別に為事もないのにいつまでもお手放しにならなかった。それにはさすがの道綱も殆ど困っているらしかった。
私も私で、撫子などを相手に、再び昔に返ったような無聊な日々を迎え出していた。昔に返ったような? ――しかし、それらの日々は私にとっては、前よりかもっと無聊で、もっと重くろしいところのあるのを認めない訣にはいかなかった。私はそれをば撫子にも話して置かなければならない事をまだ話していないことの所為にしていた。どうせいつか話さなければならないのなら――と思いながらも、撫子のまだ余りに子供じみた身体つきや、もううすうす頭の君の求婚の事を勘づいていて、私からそれを聞かされるのをそれとなく避けているとしか思えない折々の羞かしそうな様子だのを見ると、私にはどうしてもその話が持ち出せないのだった。
そういう撫子の羞かしそうな姿が気になってならない時など、どうかして縁の方から橘の花の重たい匂が立って来たりすると、いつかその簾のそとに打ち萎れていた、若い頭の君の艶な姿が、ふいと私には苦しいほどはっきりと俤に立ったりするのだった。