Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やぶからし

やぶからし

山本 周五郎

Lisez やぶからし de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 476 caractères · 44 écrans

Aozora Bunko

その騒ぎが起こってから、あの方が出てゆくまで、わたくしたちはいちども顔を合わせなかった。それはおとうさまの御配慮で、「二人を会わせてはならぬ」ときびしくお命じになった、ということをおかあさまから聞いた。

――ああ、やっとさっぱりした。

わたくしはそう思った。あの方が出ていったことは、よそから来た泊り舟が、とも綱を切って去っていった、というくらいにしか思えなかったのである。数年のち、たぶん二十歳になったころであろうか、わたくしはそのときのことを思いだして、自分を恥じた。あの方が放蕩をやめなかったことも、ついには勘当放逐ということになったのも、みな自分の責任ではないか。祝言をし、夫婦となったからには、良人を愛し、劬り励まして、良人が立ち直れるように、全力を貸すのが妻の役目であろう。それをまったく逆に、祝言の夜から自分はあの方を拒み、憎悪と軽侮の眼しか向けなかった。

――私は弱い人間だ、私には支えになる者が必要だ。

あの方はそうまで云われたのに、自分は支えどころか、あの方を突き落すようなことをしたのである。そのうえ、別離のときも知らぬ顔で、両親にとりなすどころか、これでさっぱりした、などと考えたものだ。