Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ゆだんたいてき
ゆだん大敵
山本 周五郎
Lisez ゆだん大敵 (ゆだんたいてき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 664 caractères · 41 écrans
図書の声には殺気があった。
「……ここで死ぬものと覚悟をして抜け、いざ」
久之助はじっと図書のようすを見た、それから下緒を外して襷をかけ、袴の股立をとって、しずかに大剣を抜いた。図書もまたそのようすを見まもっていたが、なにか思い出したとみえ、
「待て待て、立合いは明日にしよう」と云いだした。
「……そこもとにも始末すべきことがあろう、人に見られてはならぬ文書、仕残した用、片付けなければならぬ物もあるだろう、今宵その始末をして来られい」
まじめだった。それではどちらか一人は死ぬ覚悟というのは威しではないのだ、まさかと思っていた久之助はにわかに身がひき緊るのを感じた。
決して他言はせぬという約束を交わし、時刻をうちあわせて家へ帰ると、久之助はすぐに身のまわりの始末にかかった、常づね注意しているつもりだったが、いざ片付ける段になると案外に暇どって、終ったのはもう夜半の二時を過ぎていた。
――これで死んでも悔いはない、そう思ってひと眠りし、まだ寝足りないようだったが、井戸端へ出て頭からざぶざぶ水を浴びた。
定めの時刻にゆくと、図書は泥まみれの妙な恰好をしていた。