Classiques japonais avec furigana
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らんのはな
らんの花
小川 未明
Lisez らんの花 (らんのはな) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 4 095 caractères · 9 écrans
」
「ふん、楽しみにか。」と、男は、冷笑うように、いいました。
「いいものは、どうも売り惜しみがしてね。」
「持っていて、どうなるもんでなし、もうかったら、手放すもんだよ。さいわい、私には見せる口があるのだ。」と、男は、なかなか老人に、渡そうとしませんでした。老人は、なんといっても笑っていて返事をしなかったので、男は、ついに、それを返して、
「じゃ、また出直してこようか。」と、いって、しまいました。
なんという深い青さでしょう。見ていると、玉の中から、雲がわいてきます。どの玉もみごとです。波濤の起こる、海が映ります。いったいこの美しい宝石をば、自分の髪の飾りとしたのは、どんな女かと空想されるのでした。
「いや、商売ですから、欲しいものでも金になれば手放しますが、生涯二度と手に入らないと思うものがありますよ。そんなときは損得をはなれて、別れがさびしいものです。なかなか金というものが憎らしくなりますよ。」と、老人は、初対面の客である、私にすら、つくづくと心境を物語ったのでした。この志があればこそ、骨董屋にもなったであろうが、この老人のいうごとく、美というものは、まったく金には関係のない存在であると思います。