Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わがまち

わが町

織田 作之助

Lisez わが町 (わがまち) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 93 840 caractères · 186 écrans

Aozora Bunko

他吉は種吉に、

「種さん、おまはんはええ子をもった。わいは昔蝶子はんのことあんな風に言ったけど、悪う思いなや。いや、実際感心な娘やなあ」

と、言った。

ところが、柳吉は湯崎で毎日散財していたのだ。見舞いがてら湯崎へ出向いた蝶子は、柳吉が妹からもこっそり送金させていたと知って、気が狂ったようになった。

「兄妹やから、なにもお金を送らせて、わるい法はないけど、しかし、それではわての苦労がなんにもならん。散財さえしてくれなんだら、わてだけの力であんたを養生させられた筈や」

柳吉と一緒に湯崎から大阪へ帰ると、蝶子は松坂屋の裏に二階借りした。相変らずヤトナに出た。こんど二階借りをやめて一戸構え、ちゃんとした商売をするようになれば、柳吉の父親もえらい女だと褒めてくれ、天下晴れて夫婦(めおと)になれるだろうとはげみを出した。その父親はもう十年以上も中風で寝ていて、普通ならとっくに死んでいるところを持ちこたえているだけに、いつ死なぬとも限らず、生きているうちにと蝶子は焦った。が、柳吉はまだ病後の身体で、滋養剤を飲んだり、注射を打ったりして、それがきびしい物入りだったから、半年経っても三十円と纒った金はたまらなかった。