Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わがまち

わが町

織田 作之助

Lisez わが町 (わがまち) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 25 869 caractères · 52 écrans

Aozora Bunko

「ほな、おっさんに夕刊一枚おくれんか。」

「やったかて、読めるのんかいな。」

「殺生な。ほんまはな、夕刊でな、鼻の穴の紙を……。」

詰めかえながら、河童路地へ戻って来ると、めずらしく郵便がはいっていた。

切手を見て、マニラの婿から来た手紙だとはすぐ判ったが、勿論読めなかった。

「〆さん、〆さん。留守か、居るのんか。」

隣の〆団治に声をかけた。すると羅宇しかえ屋の家の中から、声が来て、

「〆さんは寄席だっせ。」

「さよか。――ところで、おばはん、けったいな事訊きまっけど、おまはん字ィはどないだ?」

「良え薬でもくれるのんか。なんし、わての痔ィは物言うても痛む奴ちゃさかい。」

「あれくらい大きな声出したら、なるほど痛みもするわいな。」

と、理髪店朝日軒で客がききつけて、大笑いだった。朝日軒の主人の敬吉は講義録など読み、枢密院の話などを客にして、かねがね学があると煙たがられていた。他吉ははいって行き手紙を見せると、敬吉はちらと眼を通して、

「他あやん、えらい鈍なこっちゃけど、こらわいには読めんわ。」

と、びっくりした顔だった。

「えらいまた敬さんに似合わんこっちゃな。どれ、どれ、わいにかして見イ、読んだる。