Classiques japonais avec furigana
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アンドロギュノスのちすじ
アンドロギュノスの裔
渡辺 温
Lisez アンドロギュノスの裔 (アンドロギュノスのちすじ) de 渡辺 温 (わたなべおん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 168 caractères · 267 écrans
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イワンの兄は、いよいよ宝の穴を掘り当てたような気持で、その紙片の教える通りを実行しました。もう何十年もの昔から使ったことのない古い窖へ忍び込んで、そこの北の隅の埃だらけの重たい床石をやっと持ち上げてみました。すると果して、その裏側に手頃の鉤がついていたので、それへ銀の小箱の中に入っていた綱をひっかけて、轟く胸をおさえながら、そろそろと地の底へ降りて行きました。ところが、あらかじめ仕掛けがしてあったのでしょう。綱はプツリと音を立てて切れました。呀ッとッと」]云うとイワンの兄は忽ち深い深い穴の底へ落ち込みましたがうまい工合に大そう柔いベッドがすっぽりと体を受けとめて呉れました。その穴の何処か一番高い天井の辺から明るい日の光が洩れてくるようにつくられてあったので、そのベッドが未だ新らしい却々上等なものであることが判りました。
イワンの兄は、どうやら其処が宝の蔵ではなさそうなのに気がついて、うろたえて、探し廻りました。穴の中にあったすべてのものは、そのベッドの他に、物々しいパンの山とそして幾十樽かの葡萄酒とでした。
考え深い父親が、馬鹿な息子の身を案じて工夫した食うに困らぬ安楽な「行末」