Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

カストリしゃじけん

カストリ社事件

坂口 安吾

Lisez カストリ社事件 (カストリしゃじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 043 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

「花田さん、ひどいわねえ。唐は中国だったなんて、そんなこと、でも、ひどいわ。ずいぶん、侮辱じゃないの」

「オイ、オイ、スミマセン、アナタ。そんな、個人的な感情問題じゃないぜ」

と一同を制したのは、一番年の若い、然し、さすがに銀行員上りの、一同の中で一番物の道理の分った堅木という会計係であった。

「カストリ社の運命や、いかに」

「うん、まったくだ。あんな奴に、のさばられちゃ、かなわねえよ、なア。オレは、こんなエロ雑誌はあんまり性に合わねえけど、然し、オレは、詩人だからネ、オレは古くないから、食うためにエロ雑誌をやる、女に生れたら、パンパンやったって、いいんだ。詩をつくりゃ、いゝじゃねえか。だから、オレがこんなカストリ雑誌の記者であるということは、つまり、パンパンの精神なんだ。でもよ。車組の検閲雑誌は、いけねえよ。いったい、アイツは、わが社の、何のつもりなんだ」

「つまり、社長のつもりだろうな」

一同は花田をジロリと睨み、社長の先生へ目を転じた。

花田は魂を失い、施す術を失い、たゞもう茫然、ザンキ苦悩、刑死せるキリストの如くにうなだれている。

社長の先生は、いったん親善使節の紳士に奪取された帰属不明の椅子にもどって、靴をぬいで、足を机に乗っけて、両手を後クビにくんで、天井をにらんでいる。