Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
カストリしゃじけん
カストリ社事件
Lisez カストリ社事件 (カストリしゃじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 043 caractères · 21 écrans
ワガハイが、ココロよく社長を退く。それだけのことじゃ。人数が多いから、宴会は、カストリでやる。足がでたら、三平のフトコロに、一万円ある。者共、遠慮致すな」
と、カストリ横丁の一軒を占領して、大宴会を催した。
然し、社長をやめりゃ、いゝんだ、と云ったって、そう簡単にやめられるものではない。たった二十万円で、雑誌を売り渡すようなものだ。じゃア、どうすりゃ、いゝんだ。カンタンだ。二十万円、ありゃ、いゝんだ。
花田は、発頭人であるから、身をきられる切なさである。顔にはださないが、社長の先生の心のうちも、よく分るのだ。なんとしても、二十万円、ほしい。とても、泥棒の勇気はないから、あとの道はたゞ一つ。
翌日、彼は土井片彦をよんで、
「一生の願いだ。折入って、たのむ。ワシはこれから、二十万円のカタに、イノチをすてに行くから、立会ってくれ」
「オイ、おどかしちゃ、いけねえや。死なゝくたって、いゝじゃないか。ひでえよ。だいたい、オレは、とても心細くって、椅子にこうして腰かけているのが、精いっぱいなんだもの。立会人なんか、できやしないよ」
「オイ、一生の願いだと云ってるじゃないか。