Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ガラマサどん

ガラマサどん

佐々木 邦

Lisez ガラマサどん de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 99 079 caractères · 202 écrans

Aozora Bunko

「はあ」

「秘書兼務といっても、松本君がいるんだから、君のは真の形式に過ぎない。社長から呼び出しのあった時丈け詰めていれば宜しい。まさか社長自叙伝係とも書けないから、秘書兼務としたので、松本君とは全然仕事の性質が違う」

と中島さんはその辺に誤解のないように説明した。

「承知致しました」

「社長もナカ/\考えている」

「何故でしょうか?」

「自叙伝を会社の俸給で書かせる」

「しかし私は余り公私の別を立てゝ戴かない方が結構です」

「何うして?」

「会社の俸給なら永久的です。お役目が済んだからって、まさか引き下げることはございますまい」

「成程。君も考えているね」

「実は、中島さん」

「何だね?」

「私はこの間から大心配をしていました」

「この問題でだろう?」

「はあ、小説を書くのが祟ったのかと思いまして……」

「ハッハヽヽ」

「或は因果を含められるのかと略覚悟を極めていましたところ、全く案外でした」

「実はこの間は序をもって一寸驚かした気味もある」

「お人が悪いですな」

「ハッハヽヽヽ」

「しかし有難うございました」

と私は満足だった。公私混合でも、俸給の上るに苦情はない。会社の金なんてものは何うせ誰かが使ってしまう。