Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ザザむしのつくだに

ザザ虫の佃煮

佐藤 垢石

Lisez ザザ虫の佃煮 (ザザむしのつくだに) de 佐藤 垢石 (さとうこうせき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 267 caractères · 5 écrans

Aozora Bunko

いまでも釣りするたびに、子供のときのような心になって、喜びたいとねがうのである。

川虫も、山女魚やはやを釣るには、なくてはならぬ餌である。川虫には、平たい草鞋のような形をしたのもあれば、百足のような姿をしたのもある。また挟み虫のようで、黄色いのもある。これは、いずれもかげろうの幼虫であろう。

なかでも、挟み虫のような形で、黄色い川虫を山女魚やはやが好むようである。わが故郷では、これをチョロ虫と呼んでいる。

昨年の春であったか、信州の諏訪に住んでいる正木不如丘博士に会ったとき、釣りの話のことから、このチョロ虫の身の上談に及んだことがある。博士がいうに、その虫ならば自分のくにの川にも、いくらも棲んでいる。そして、それを信州ではザザ虫と呼んでいるのだ。このザザ虫は、魚の餌になるばかりでなく、人間の餌にもなるのだから、妙だ。

信州では、ザザ虫を佃煮にこしらえて、それを肴にすると、酒がひどくおいしいといって甚だ賞味する。君も酒が好きだから、こんど上京するとき持って行ってやろう、ザザ虫の佃煮を肴にして、一杯やり給えと、甚だ悪もの食いめいたことをすすめるのだ。