Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ズラかったしんきち

ズラかった信吉

宮本 百合子

Lisez ズラかった信吉 (ズラかったしんきち) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 54 656 caractères · 110 écrans

Aozora Bunko

春になった。アムグーン川が流れだした。日本人夫は、トビ口をかついで、春の泥濘にすべりながら低い川岸に散らばった。

村に近い番屋で働くようになると、人夫の金使いが荒くなった。

山から吹く風は冷たいが、太陽は汗ばむぐらいにぬくんで濁って水嵩のましたアムグーンの面や、そこを浮いて行く材木を照らした。川岸の腐った落葉の下から白い小さい雪割草の花が開いている。

源がジャケツに腹がけ姿でトビ口に靠れながら或るとき、

「この川っぷちとも今年でおさらばか……」

と云った。わきに蹲んで、草の芽生えを眺めてた信吉は、顔をあげて訊いた。

「……なしてだい」

「この会社も、もう来年までやっちゃいかれめえよ。何せソヴェトじゃ労働者が主人で労働法がガン張ってるから、内地みてえにいろんな口実つけちゃ労働者をキッキと搾れねえ。内地の景気あガタ落ちでも、ここで材木一本伐り出す費用にゃかわりがねえんだ。それに、なんだってえもの、この頃は逆にこっちの景気がよくって、今に日当が三四割がた上るって話だもん、お前、会社あたまらねえや」

源は、手洟をかんだ。〔十七字伏字〕が土台から違うんだ。

いよいよ、××林業の現場引あげが目の前に迫ると、若い信吉の心は苦しくなった。