Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ドグラ・マグラ

ドグラ・マグラ

夢野 久作

Lisez ドグラ・マグラ de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 424 847 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

……というのはその三月二十六日の前日の二十五日には、久方振りでこの大学の門を潜って、当時、精神病学教授として存命中であった斎藤博士初め、同窓や旧知の先輩、後輩に面会した後、総長に会って論文を提出して、卒業以来預けておいた銀時計を受取っている。宿はやはり蓬莱館に泊る事にした。またWもその当時から今の春吉六番町の広い家に、飯爨婆さん一人を相手の独身生活をやっているんだから、日が暮れてからソッと脱け出して、朝方帰って来る位、何でもない仕事だ。つまり二人とも現場不在証明を胡魔化すには持って来いの処に居た訳だ。……それかあらぬかその晩の九時頃に一台の新しい箱自動車が、曇り空の暗黒を東に衝いて福岡を出た。乗っている人物は炭坑成金らしい風采で「ちょうど直方へ連絡する汽車が無くなったところへ、急用が出来たものだから止むを得ない。一つ全速力で直方まで遣ってくれ」と云って……」

「……エッ……そ……それじゃあの呉一郎の夢遊病は……」

正木博士は私の前を通り抜けつつ振り返って冷笑した。

「……ウソさ……真赤な嘘だよ」

「……………」

私の脳髄の全部が忽ち煽風機のような廻転を初めた。