Classiques japonais avec furigana
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ヒウザンかいとパンのかい
ヒウザン会とパンの会
高村 光太郎
Lisez ヒウザン会とパンの会 (ヒウザンかいとパンのかい) de 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 232 caractères · 9 écrans
の中にある「失はれたるモナ・リザ」が実感だった。モナ・リザはつまり若太夫のことで、詩を読んでくれれば、当時の心境が判って呉れる筈である。
失はれたるモナ・リザ
モナ・リザは歩み去れり
かの不思議なる微笑に銀の如き顫音を加へて
「よき人になれかし」と
とほく、はかなく、かなしげに
また、凱旋の将軍の夫人が偸見の如き
冷かにしてあたたかなる
銀の如き顫音を加へて
しづやかに、つつましやかに
モナ・リザは歩み去れり
モナ・リザは歩み去れり
深く被はれたる煤色の仮漆こそ
はれやかに解かれたれ
ながく画堂の壁に閉ぢられたる
額ぶちこそは除かれたれ
敬虔の涙をたたへて
画布にむかひたる
迷ひふかき裏切者の画家こそはかなしけれ
ああ、画家こそははかなけれ
モナ・リザは歩み去れり
モナ・リザは歩み去れり
心弱く、痛ましけれど
手に権謀の力つよき
昼みれば淡緑に
夜みれば真紅なる
かのアレキサンドルの青玉の如き
モナ・リザは歩み去れり
モリ・リザは歩み去れり
我が魂を脅し
我が生の燃焼に油をそそぎし
モナ・リザの唇はなほ微笑せり
ねたましきかな
モナ・リザは涙をながさず
ただ東洋の真珠の如き
うるみある淡碧の歯をみせて微笑せり
額ぶちを離れたる