Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ピンカンウーリのアマ

ピンカンウーリの阿媽

豊島 与志雄

Lisez ピンカンウーリの阿媽 (ピンカンウーリのアマ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 499 caractères · 7 écrans

Aozora Bunko

平素歩き馴れてる所だけれど、まるで狐にでも化かされたように、見当がつかないのだ。

暫く立ち止り、いくら考えても分らないし、ただふらりと、路傍の草むらの中にはいって行ったものらしい。空襲の焼け跡の荒地で、背高く繁茂してる雑草が冬枯れになっている。その中に私は寝転んで、高声に何か歌いながら、空の星を眺めた。

オリオン星座が中天近く輝いている。

その美しい星座を見ていると、ふと、ピンカンウーリの阿媽さんを思い出した。ばかりでなく、彼女の姿がはっきりと空中に顕現したのである。それが宙に浮いて、私の方をじっと見ている。私は虚を衝かれた思いで、眼を醒した気持ちになり、立ち上って、家へ帰って行った。なんのことはない、道筋ははっきりしてるし、真直に家へ帰りついた。

そういうわけで、今、ピンカンウーリの阿媽さんへ、私は感謝の気持ちもこめて、手紙を書こうと思うのだが、書くことはただ、鳥の声とか日の光りとか身辺の器具とか、意味のないつまらないものに就いてだけだ。然し、こういう埒もない手紙を書く相手を一人持ってることは、人生の幸福の一つだという感じが深い。

手紙とは言うものの、相手の近況も分らないから、これは単に夢想の中のものであろうか。