Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lisez フレップ・トリップ de 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 698 caractères · 293 écrans
その横文字の看板の、そのまた屋根の、町並の上の近くは濃く青く、はるばると末は冥んだ韃靼海である。またいくらか薄い空の青みである。縁は陰って白い寒い雲の流れである。
そうして、沖には高麗丸の船室の灯が、美々しく、ちらちらと、今や輝き出した。
チャラン、チャラン、チャラン。
何やら金属性の透った音もきこえて来る。
「お腹が空いたぞお、いい加減にしないかア。」
と、また、乗り出す。
「じきだよオ。待ちたまえ。」
「頭は済んだかあい。」
「済んだよ。これからお面だ。」
「洒落れるな、おい。」
「洒落れはしねえ。」
と、剃刀がピカリと上へ反れた。危険危険、後ろ斜めに凭れ気味の、その刈りたて頭を。
ピーと、按摩の笛。
おもしろいおもしろい、按摩も白の背広で、麦稈帽である。
背広といえば小樽で見た按摩も、これは霜ふりではあったがやはり背広でカラをはめ、薄汚れてねじれてはいたが、何か黒に赤みがかったネクタイを結んでいた。キト旅館でひとりで机に向っていた時のことである。縁側からにじり込んで、下座にズボンの膝を折目正しくかしこまったその紳士を見て、私はまた土地の新進歌人のひとりかと早合点をした。