Classiques japonais avec furigana
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プウルのかたわらで
プウルの傍で
Lisez プウルの傍で (プウルのかたわらで) de Nakajima Atsushi (中島 敦) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 843 caractères · 34 écrans
一人の少年が――それは顔の上にうすい透明な蝋を引いて、その上に白い粉を撒いたような美しい肌をした少年であったが――蟇口を机の上に置き、目の縁を赤くして、きまりの悪そうな笑いを浮べながらも思い切った調子で言った。
「売ってくれんか。三円ほどあるんじゃ。」
その絵を持って来た少年は、だが、ずるそうに笑って仲々承知しようとはしなかった。
その頃、彼等は、狼という綽名のある、少尉あがりの軍事教官の外は、どの教師をも恐れなかった。彼等の恐れるのは、ただ、上級生――といっても、今は五年しかなかったが――の制裁ばかりであった。
家では堅く自分の殻の中に閉じこもっていた三造も、学校へ来ると、自然に周囲に同化されて、別人のように快活になるのであった。彼はようやくその頃から学業を怠ることを覚えた。これは彼の計画である「成績を悪くすること」のためにも必要であった。彼は幾人かの仲間と一緒に、昼休みの時間に裏山の凹地へ行って、こっそりと煙草をのむ稽古をした。彼等の一人は非常に巧みに、まるい輪を吹くことができた。それが何かひどくえらい事のように、――つまり、その男が他の少年達よりも大人である証拠であるかのように、彼等には思われたのであった。