Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ヴィヨンのつま

ヴィヨンの妻

太宰 治

Lisez ヴィヨンの妻 (ヴィヨンのつま) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 363 caractères · 112 écrans

Aozora Bunko

「たいへんな事を言いやがるなあ、先生、すっかりもう一人前の悪党だ。それではもう警察へお願いするより手がねえぜ」

その言葉の響きには、私の全身鳥肌立ったほどの凄い憎悪がこもっていました。

「勝手にしろ!」と叫ぶ夫の声は既に上ずって、空虚な感じのものでした。

私は起きて寝巻きの上に羽織を引掛け、玄関に出て、二人のお客に、

「いらっしゃいまし」

と挨拶しました。

「や、これは奥さんですか」

膝きりの短い外套を着た五十すぎくらいの丸顔の男のひとが、少しも笑わずに私に向ってちょっと首肯くように会釈しました。

女のほうは四十前後の痩せて小さい、身なりのきちんとしたひとでした。

「こんな夜中にあがりまして」

とその女のひとは、やはり少しも笑わずにショールをはずして私にお辞儀をかえしました。

その時、矢庭に夫は、下駄を突っかけて外に飛び出ようとしました。

「おっと、そいつあいけない」

男のひとは、その夫の片腕をとらえ、二人は瞬時もみ合いました。

「放せ! 刺すぞ」

夫の右手にジャックナイフが光っていました。そのナイフは、夫の愛蔵のものでございまして、たしか夫の机の引出しの中にあったので、それではさっき夫が家へ帰るなり何だか引出しを掻きまわしていたようでしたが、かねてこんな事になるのを予期して、ナイフを捜し、懐にいれていたのに、違い