Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひとつみのきもの
一つ身の着物
壺井 栄
Lisez 一つ身の着物 (ひとつみのきもの) de 壺井 栄 (つぼいさかえ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 453 caractères · 11 écrans
八歳を頭に四人の男の子があるというその仮り親の家でのひと月足らずのあけ暮れは赤ん坊にとっては憂うつ極まるものであったらしい。つまり、四人の幼い男の子たちは、仔犬を可愛がると同じように赤ん坊をかまったのでもあろうか。赤ん坊はすっかり気むずかしやになっていた。その一か月の仮りの母は、それが赤ん坊の天性ででもあるようにいった。
「右文ちゃんはとても子供ぎらいでしてね、子供をみると泣き出すんですよ。」
しかし大人をみても笑いはしなかった。泣きも笑いもせず、ただ物憂げな力ないまなざしで、私たちを見た。何の意志も表せないそのまなざし、四人のいたずらっ子にとりまかれた生活から、大人ばかりの家につれてゆかれるとも知らず、他人の手から手へ小荷物のように渡される一人の赤ん坊。
「右文ちゃん、さあ、今日からはこの小母ちゃんがお母さんよ。」
泣きも嘆きもされず、赤ん坊は私の手の中に渡された。ひと月前にみたときよりもやせてしぼんでいた。抱いてみてその軽さにもびっくりせずにいられなかった。焼跡のでこぼこ道を歩いて帰りながら、私は自然な動作で背の子を軽くゆさぶり、母親らしく話しかけている自分の姿を不思議に思わずにはいられなかった。