Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いったとはは
一太と母
宮本 百合子
Lisez 一太と母 (いったとはは) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 507 caractères · 21 écrans
手許を熱心に眺め、口の中に唾を出していた一太は喫驚して母親を引張った。
「あらあら、おっかちゃん、大きくなって来たよ、これ」
「ほら大きくなるぞ……大きくなるぞ」
小さかった白い餅のようなものは、もりもりもりもりと拡って、箸でやっと持つ位大きく扁平な軽焼になった。
「さ、ちっと冷してから食うと美味いよ。芳ばしくて。――自分で焼いて見なさい」
一太は片手で焙りながら、片手で軽焼を食った。とても甘く、口に入ると溶けそうだ。
「本当に美味しいや」
「本当とも」
一太は、
「もういい? もう返してよござんすか」
と云いながら焙り出した。
「こんどのおっかちゃんに上げようね」
一太の母は、陰気に気落ちのした風でそっちへ目をやりながら、
「いいよ、先生に上げるものですよ」
そして、
「その方はお偉い先生で御本をお拵えなさるんですよ」
と云った。
「ふーん……」
一太は、考えていたが、
「じゃああの本も拵えたんですか」
と藪から棒に尋ねた。
「どの本だね」
「あの本――少年倶楽部……僕よんだことあるよ、島村大尉ってとても勇ましいんだね」
「ハハハハそれは違うよ、それは別の人が拵えたんだよ多勢で……ハハハハハハ」