Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
Lisez 一寸法師 (いっすんぼうし) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 96 475 caractères · 194 écrans
屋根の上の騒ぎも段々遠ざかり、階下の老婆はどうしたのか姿を見せず、そのさ中に、異様な静寂が来た。世界が切離された感じだった。
「奥さん」
紋三は夫人の肩に手をかけて低い声で呼んだ。すると突然夫人が、起き上って叫び出した。
「私です。三千子を殺したのは私です。お巡りさんにそういって下さい。小林さん、お巡りさんの所へ連れて行って下さい」
青ざめた顔が涙にぬれて、脣が醜く痙攣した。
「イエ、その前に、家へ連れて行って下さい。私は家へ帰らなければならないんです。サア、早く早く、小林さん」
彼女は紋三の腕にすがる様にしてわめいた。充血した目が人の来るのを恐れて、キョトキョトあたりを見廻した。
紋三も興奮のために青ざめていた。不思議な戦慄が背中をはった。なめてもなめても脣が干いた。
「奥さん逃げましょう」
彼の声はかすれ震えていた。
「早く、家へつれて行って」
「僕と、僕と一緒に、逃げましょう」
百合枝は激情の為に立上る力もなかった。紋三の肩に縋りついては、くずおれた。彼は夫人の狭い胸を抱く様にして、やっと階段を降りることが出来た。降りたところに耳の遠い老婆がポカンと立っていた。