Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
Lisez 一寸法師 (いっすんぼうし) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 96 475 caractères · 194 écrans
夜中にそっと忍んで来て、人形に話をしたり、ふざけたりしている男もあった。今のお梅さんも、あんなに美人なのだから、ひょっとしたらだれかが恋をしていたかも知れないのだ。
そんなうわさ話が生れる程あって、この人形共は何だか死物とは思えないのだった。昼間はそ知らぬ振をして、作り物の様な顔ですましていて、夜になるとムクムクと動き出すのではないかと疑われた。事実夜の見廻りの時に、人形のすぐ前に立って、じっとその顔を見つめていると、突然ニコニコと笑い出し相な気がされた。
今番頭達の行手には、その三つの人形が、遠くの電燈の朧な光を受けて、真黒く見えていた。
「ちょっと、ちょっと、いつの間に、あんな子供の人形を置いたのです。ちっとも知らなかった」
少年店員がふと立止って、番頭の袖を引いた。
「エ、子供の人形だって、そんなものありゃしないよ」
若い番頭は怒った様な調子で、小僧の言葉を打消した。彼は怖がっているのだ。
「だって、御覧なさい。ホラ、お松さんとお竹さんが、子供の手を引いているじゃありませんか」
小僧はそういって、人形の方へ懐中電燈をさし向けた。遠いためにはっきりとは見えないけれど、そこには、お梅人形のかげになって、確に一人の子供が立っていた。