Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かじとポチ
一房の葡萄
有島 武郎
Lisez 一房の葡萄 (かじとポチ) de 有島 武郎 (ありしまたけお) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 23 753 caractères · 48 écrans
三人で手分けをして庭に出て、大きな声で「ポチ……ポチ……ポチ来いポチ来い」とよんで歩いた。官舎町を一軒一軒聞いて歩いた。ポチが来てはいませんか。いません。どこかで見ませんでしたか。見ません。どこでもそういう返事だった。ぼくたちは腹もすかなくなってしまった。御飯だといって、女中がよびに来たけれども帰らなかった。茂木の別荘の方から、乞食の人が住んでいる山の森の方へも行った。そして時々大きな声を出してポチの名をよんでみた。そして立ちどまって聞いていた。大急ぎで駆けて来るポチの足音が聞こえやしないかと思って。けれどもポチのすがたも、足音も、鳴き声も聞こえては来なかった。
「ポチがいなくなってかわいそうねえ。殺されたんだわ。きっと」
と妹は、さびしい山道に立ちすくんで泣きだしそうな声を出した。ほんとうにポチが殺されるかぬすまれでもしなければいなくなってしまうわけがないんだ。でもそんなことがあってたまるものか。あんなに強いポチが殺される気づかいはめったにないし、ぬすもうとする人が来たらかみつくに決まっている。どうしたんだろうなあ。いやになっちまうなあ。
……ぼくは腹がたってきた。