Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いちにちいっぴつ
一日一筆
岡本 綺堂
Lisez 一日一筆 (いちにちいっぴつ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 151 caractères · 7 écrans
人は総て死を期している。随って混雑極まる乱軍の中にも、一種冷静の気を見出すことが能る。しかもここの町に奔走している人には、一定の規律がない、各個人の自由行動である。人は総て死を期していない、寧ろ生きんがために焦っているのである。随って動揺また動揺、何ら冷静の気を見出すことは能ない。
株式市場内外の混雑を評して、火事場のようだとはいい得るかも知れない。軍のような騒ぎという評は当らない。ここの動揺は確に戦場以上であろうと思う。
二 ヘボン先生
今朝の新聞を見ると、ヘボン先生は二十一日の朝、米国のイーストオレンジに於て長逝せられたとある。ヘボン先生といえば、何人もすぐに名優田之助の足を聯想し、岸田の精水を聯想し、和英字書を聯想するが、私もこの字書に就ては一種の思い出がある。
私が十五歳で、築地の府立中学校に通っている頃、銀座の旧日報社の北隣――今は額縁屋になっている――にめざましと呼ぶ小さい汁粉屋があって、またその隣に間口二間ぐらいの床店同様の古本店があった。その店頭の雑書の中に積まれていたのは、例のヘボン先生の和英字書であった。
今日ではこれ以上の和英字書も数種刊行されているが、その当時の我々は先ずヘボン先生の著作に縋るより他はない。