Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いちまいのきっぷ

一枚の切符

江戸川 乱歩

Lisez 一枚の切符 (いちまいのきっぷ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 503 caractères · 27 écrans

Aozora Bunko

ちょっとドラマチィックな事件には相違ないからな」

左右田はこう語り終って、前のコップをグイと乾した。

「現場を見た興味があったとはいえ、よくそれ丈け詳しく調べたね。だがその黒田という刑事は、警察官にも似合わない頭のいい男だね」

「マア、一種の小説家だね」

「エ、アア左様だ。絶好の小説家だ。寧ろ小説以上の興味を創作したといってもいい」

「だが、僕は、彼は小説家以上の何者でもないと思うね」

片手をチョッキのポケットに入れて、何か探りながら、左右田が皮肉な微笑を浮べた。

「それはどういう意味だ」

松村は煙草の煙の中から、眼をしばたたいて反問した。

「黒田氏は小説家であるかも知れないが探偵ではないという事さ」

「どうして?」

松村はドキッとした様であった。何かすばらしい、あの得べからざる事を予期する様に、彼は相手の眼を見た。左右田はチョッキのポケットから、小さい紙片を取出してテーブルの上に置いた。そして、

「これは何だか知ってるかい」

と云った。

「それがどうしたと云うのだ。PL商会の受取切符じゃないか」

松村は妙な顔をして聞き返した。

「そうさ。三等急行列車の貸し枕の代金四十銭也の受取切符だ。