Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

Lisez 三人の相馬大作 (さんにんのそうまだいさく) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 32 603 caractères · 66 écrans

Aozora Bunko

しかし、川筋の取締りが、大変で御座りますよ。津軽領には、二百人から出張ってで御座りますな。ずらっと、堤の上に――」

女狩右源太は、人々の話を聞いていたが

「そうも、恐ろしいかのう」

と、呟いた。人々は、一斉に、右源太を見て

「ええ、檜山領の百姓には、生神様のように思われて――」

「大砲を何しろ作って」

「見たか、その大砲を」

「いいえ」

「わしは見た。紙じゃ」

「紙? 張りこの?」

「そうじゃ。余り、びくびくすると、張りこが、鉄に見える。世間が泰平じゃと、話が、面白可笑しく尾に鰭をつけていかん。大作など、人気とりの山師にすぎん」

人々は、黙ってしまった。

「出るな、出るな」

幾人も、袴をくくり上げて、草鞋履きで通って行った。行列が、近づいてくるのであった。

八

人々は、渡し場の、草の中へ、膝と、手とを突いていた。舳にも、艫にも、船頭が、川の方を向いて、両手を突いていた。船中の侍は、駕の側、前後に、膝をついていた。駕の中に、垂れをあげた津軽越中守が、腕組して、水を眺めていた。

川下にも、川上にも、小舟の中にも、侍が立って、川面、両岸を、警戒していた。向う岸の、津軽領には、人々が、草の上へ黒々と立っていたし、馬が、槍が、人々の頭の上で動いたり、光ったりしていた。