Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

Lisez 三人の相馬大作 (さんにんのそうまだいさく) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 32 603 caractères · 66 écrans

Aozora Bunko

門人達は、膝一つ動かさず、咳一つせずに、聞いていた。大作は

(いつ、召捕らえられてもいい、誰かの胸に、このことは、刻まれるであろう)

と、考えていた。

「正成は、それを知っていた。だから、河内の一族に、十分、後のことを頼んでおいて、自らは、大義大道のために、死をもって、その志を鼓吹したのだ。湊川の悲壮な戦――七百騎で十万騎と戦った十死無生の、あの合戦。この悲壮な合戦、この凄愴な最期があったればこそ、正成の志は万古に生きることになった。人は、この戦を思うと、楠氏の志は必ず、思出す。即ち、正成の志は元弘、建武の御代を救うにあっただけでは無く、万代、人の道を教えるのにあったのだ」

門人達は、頷いた。

「拙者の志は、正成公と、比較にならん位小さい。然し、一死以て、君国に報じるだけの決心は致しておる。何時召捕られる身かしれぬ拙者として、皆に申残しておきたい。第一のことはこの心掛けじゃ。碌々として生を貪る勿れ。三十にして死すとも、千載に生きる道を考えよ、と、これ平山子龍先生の教えにして、又、拙者自ら、いささか行うたところの道である」

大作は、よく澄んだ大きい声で、説いて行った。