Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんじゅうちゅうがえりのき

三重宙返りの記

海野 十三

Lisez 三重宙返りの記 (さんじゅうちゅうがえりのき) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 000 caractères · 4 écrans

Aozora Bunko

機が地上に下りると、僕は急に胸先がわるくなって、むかむかしてきた。生唾が、だらだらと出てきた。全身には、びっしょり汗をかいていた。だが僕は、大声で叫びたいほど愉快であった。

僕は、機上から下りて、校長閣下を始め御歴々に対し、初めて挙手の礼をもって挨拶をした。鼻汁がたれているのはわかっていたが、これを拭うすべをしらないほど平常の身嗜みに無関心だった。

西原少佐殿は、さっきとは打ってかわり、それからいくどもくりかえし、

「海野さん、まだ胸がわるいか。まだ、なおらんか」

と、電車の中までも、いたわってくれた。

はっきり書くと、その夜八時半ごろになって、この胸のわるさは、やっと癒った。と同時に、ここ数ヶ月の気分の悪さが、一ぺんに吹きとんでしまった感じがした。決行するとは全然予期しなかった特殊飛行は、僕の病気までを宙返らせた。最悪の状況下にある自分のからだを駆って、よくも宙返りに耐えたということは、私事ながら、実に大きな収穫であった。病気のときは、進んで特殊飛行を志願することにしたい。但しそう思ったのは、まるで生れかわったように元気になった翌日のことではあったが……。