Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふしんあん
不審庵
Lisez 不審庵 (ふしんあん) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 782 caractères · 16 écrans
私は聞き耳を立て、
「おや、もうお手前がはじまったのかしら。お手前は必ず拝見しなければならぬ事になっているのだけど。」
気が気でなかった。襖はぴったりしめ切られている。先生は一体、どんな事をやらかして居られるのか、じゃぼじゃぼという音ばかり、絶えまなくかまびすしく聞えて来て、時たま、ううむという先生の呻き声さえまじる有様になって来たので、私たちは不安のあまり立ち上った。
「先生!」と私は襖をへだて呼びかけた。「お手前を拝見したいのですが。」
「あ、あけちゃいけねえ。」という先生のひどく狼狽したような嗄れた御返辞が聞えた。
「なぜですか。」
「いま、そっちへお茶を持って行く。」そうしてまた一段と声を大きくして、「襖をあけちゃ、駄目だぞ!」
「でも、なんだか唸っていらっしゃるじゃありませんか。」私は襖をあけて隣室の模様を見とどけたかった。襖をそっとあけようとしたけれども、陰で先生がしっかり抑えているらしく、ちっとも襖は動かなかった。
「あきませんか。」海軍志願の松野君が進み出て、「僕がやってみましょう。」
松野君は、うむと力んで襖を引いた。中の先生も必死のようである。